ネパール人のウンチと下痢の話 [ウンチのうんちく海外編]

食事中の方には大変汚い話で恐縮なのですが、ここで世界のウンチに関するうんちくを1つ。
実は私、ネパール生活二週間目にして一躍下痢ピーの人になってしまいました。

 

f:id:henzin0joanna:20190531020540j:plain

いわゆるスラム街の土管で遊ぶ22歳(お手洗いを我慢している図ではありません)

 

フィリピンに半年いた時には水道水を飲んだり生魚を食べたりしても大丈夫だったし、一週間無人島巡りをした時にはもっぱら湖を水源をする生活だったけれど、これも特に問題なし。
旅先で著しく胃腸の調子を崩した事がない私は正直、「自分の胃は丈夫なんだ。えっへん。」みたいに思っていたのですが、見事に裏切られました。

といっても吐き気や常にトイレを気にするみたいな典型的な食中毒として思い浮かぶような劇的な症状はなく、食欲はあるのだけど胃腸の調子が悪い、そんな日が数日続いた頃。
 

f:id:henzin0joanna:20190531023101j:plain

今でこそスラム化した民家の裏の汚川だが、20年前は水遊びをする子供達で賑わっていたという。
 
チフスの研究のためにカトマンズのとある川のほとりに住む人たちの便を調べる作業をお手伝いすることに。
回収した便は、解析にまわす小さなチューブに移す前に、一度、専用の液体が入った容器の中で振って溶かす必要があるのですが、この作業中、私はあることに気がついてしまいました。
 

大体の便が、消化不良気味なのです。

 
豆とか、繊維質の何かとか。
ネパール料理って実は消化に悪いものも多いのかも。

生まれてからずーっとネパール料理食べてる人ですらこんな感じなんだから、温室育ちに甘やかされた私の胃(←)がおかしくなるのも無理はないのかな

カトマンズ近郊に住む大きなネコ科の肉食獣のウンチを探して。

 

カトマンズの街は周囲360度ぐるっと綺麗なお椀状に山に囲まれているのだが、実はその森の中に大きな猫科の肉食獣が生息しているらしい。

 

例えばインドのムンバイのすぐ側の森には、アフリカのサバンナよりも高い密度で虎が生息していて、都会に順応した野犬が都合の良い餌になっているそう。捕食者の存在はその自然環境のサイクルにおいて大切な役割を果たしているだけでなく、所によると肉食獣と人間の共生は驚くほど身近なテーマになっている。

ここネパールでもトラに関する研究に注目が集まっているのだが、一方ヒョウはトラに比べてやや派手さに欠けるのか研究が発展途上にあり、私が今現在インターンシップをしている研究所ではカトマンズを囲む森の中に住むヒョウの観測と生態の研究を行なっている。

f:id:henzin0joanna:20190528210253j:plain

鉄塔に登ってランチタイム。ちなみにこの鉄塔を一部底が抜けているので要注意。

ネパールの山ごはんは、茹でたジャガイモに香辛料を振りかけたものや、穀物の粉に水を混ぜて粘土状に練るサドゥと呼ばれるものがメジャー。安くて軽くてエネルギーバッチリ。

 

悲しいかな研究費用の問題もあって積極的に何台もカメラトラップを仕掛けることができない状況らしいが、そんな世知辛い問題もなんのその。ここでは糞を採取し、DNA解析を行うことで、大体の頭数の把握とエサ等の生態を研究している。

 

結果として私が今回訪れた森の中ではネコ科のものらしい糞は1つしか見つからなかった。少し休憩しようかと腰を下ろしたところで偶然見つけたのだが、私にとっては糞を発見したことよりも、要するに、ウンチを発見して嬉々としてそれを取り囲む大人たちの存在を知った事が大きな発見であった。

f:id:henzin0joanna:20190528210234j:plain

ウンチを囲む高学歴男性が3名。



ところでネパールには国が管理している森林と、地元が管理している森林の二種類があるらしいのだが、カトマンズを囲む森に関しては、国が管理している森林で観測されているヒョウの数は地元が管理している森林で観測されているヒョウの数に比べて少ない傾向にあるらしい。現に私たちは今回、そもそも肉食はおろか装飾の哺乳類にすら一匹も出会わなかった。

原因はわからないが、国が管理している森林は軍の訓練状になっていたりするため、そういった人間の存在が動物にとって住みにくい環境を作ってしまっている、という仮説も考えられる。一方、国の関与なしに地元で管理されている森林は、低予算の中でありながらうまく自然環境を保護できているとして、一部海外から注目されていたこともあるらしい。

 

まあそんな今回のウンチ探しのウンチくはさておき、

今回見つけたのは猿やその他草食動物のものと思われるいくつかの糞と、

お目当てとは全く違う、クワガタや、よくわからない赤くて綺麗な虫、あと芋虫とか。

 

f:id:henzin0joanna:20190528210306j:plain

クワガタ

f:id:henzin0joanna:20190528210344j:plain

よくわからない虫

f:id:henzin0joanna:20190528210335j:plain

どことなく美味しそうな芋虫

研究って、地味だけど、楽しいなあ。

 

ネパール1ヶ月1万円生活[3&4日目] 私のモーニングルーティン

世の中には自分を上手く見せるのが上手な人と、そうでない人がいる。私は後者。つまりは陰キャラだ。

最近ユーチューブではおしゃれなモーニングルーティンを見せるのが流行っていると聞いたので、私の現状のルーティンを紹介するとこうだ。

ーーー

朝5時過ぎ 起床後1時間ほど内職

f:id:henzin0joanna:20190522014510j:plain

ジョギング中に見たカトマンズの景色。

6時半 丘の上の寺を目指してランニング。丘の周りをぐるっと一周してから300数段ある石の階段を駆け足で登る。キツイと思ったらそりゃそうだ。だってネパール軍の人も私と同じルートで走ってるもん。

f:id:henzin0joanna:20190522014455j:plain

気がついたら軍人の行列の後ろをぴったりくっついて走っていたある日の朝。

7時半 帰宅してシャワー。給湯器の調子が悪いので冷水シャワー。水圧は東南アジアあるあるのチョロチョロ水流だが、水が貴重なカトマンズの安宿でシャワーヘッドから水が出てくれるだけで嬉しい。

f:id:henzin0joanna:20190522014732j:plain

ある日の洗濯風景。

8時 固形の洗濯石鹸とバケツを持って7階部分にあたる屋上に上がり、お洗濯。万が一水を使いすぎて貯水槽を空にしてしまったらまたシャワー無し生活になるので、節水を心がける。洗いの水の量の目安は、バケツに入れた洋服ひたひたくらい。すすぎは2回。

 

そしてインターン先まで出勤。

 

「早起きして内職して、軍人の後ろをジョグしながらお寺へ行って、チョロチョロ流れる冷水で汗を流して、それから手洗いで洗濯したら出勤。」

なんて貧乏くさいルーティンだろう。。

f:id:henzin0joanna:20190522021618j:plain

出勤がてら20円のサモサを買って食べ歩き。ゲンコツ大の大きさで大満足。

ちなみに朝食は10円の揚げドーナツか20円のサモサだ。

 

前回紹介したご近所夫妻のおかげで2日目と3日目は夕食をご馳走になり、また昼食もインターン中は支給されるので、水と朝食だけ負担すると一日の食費は100円だ。一応ひとり旅でこの状況は不自然&1ヶ月1万円生活として盛り上がりに欠けるので、今日は通りで見かけた怪しい日本食屋さんで怪しいパスタを食べてみた。

f:id:henzin0joanna:20190522013623j:plain

怪しい高級スパゲッティ

その名もずばりナポリタンカルボナーラ。何かと思ったが結局ただナポリタンの具とカルボナーラソースを合わせただけだった。お値段ネパールにしてはお高めの400円。

ちなみに普通の地元民が行くような食堂だと一食100円から200円で収まる。

さて明日は何を食べようか。

ーーー

1ヶ月1万円生活のおさらい:某テレビ番組と同じく、家賃、移動、仕事(今回はインターン)に関わる費用等を除く基本的な生活にかかるお金のみ計上する。

[4日目現在の使用金額] 1615ルピー(1ルピー約1円)

ちなみに携帯のSIMカード、コンセントやお風呂セットなどの身の回りの生活雑貨で初日に800円使っているので、現状、1日平均食費は200円である。

 

 

ネパール1ヶ月1万円生活[2日目] 100円の重みと、ネパールの母、見つけました。

時差ボケのせいか早朝から妙にスッキリ目覚めてしまい。朝の露店街を散歩がてら朝食を確保。

f:id:henzin0joanna:20190520010436j:plain

小さなコロコロ揚げドーナツは5つで10円

前回お話しした水回り、wifi、照明問題も朝9時ごろには全て直っていたので、スッキリしたところで気分転換に2キロ先のクライミングジムに行ってきた。実はボロロン、高校生の頃からクライミングが趣味なのである。

f:id:henzin0joanna:20190520010941j:plain

ネパールで一番と言われているジム、Astrek Park


ホールドの古さ、もといツルツル加減はフィリピンで登ったジムを彷彿とさせる。暑い屋外で手がヌメる感じもまさにフィリピンで登った時のそれだ。

ボルダリングだけなら250円、トップロープでビレイしてもらうなら450円。

f:id:henzin0joanna:20190520011353j:plain

昭和のパン屋の趣を感じるピザパン。ネパールらしくやはりピリ辛

お昼に買ったピザパンは70円。小洒落たパンに70円使うよりもう50円足してレストランで食事する方がコスパが正直良いような気もした。

昨日レストランで買った水は1リットル20円だったけど今回外の店で売っていた水は50円。ちなみに宿だと1リットル10円か、宿の主人の気まぐれで無料。

数百円、数十円の出費に対してこれほどまでシビアに考えたことが今まであっただろうか

ちなみに共働きの成人夫婦が1ヶ月の食費にかける金額は最高でも1万5千円らしい。情報ソースはこの方↓

f:id:henzin0joanna:20190520011724j:plain

宿泊先から徒歩1分のところに住んでいるルクさん。ネパールの母と呼ばせて頂こう。

教授の運転手ご夫婦が私の宿泊先の真後ろ徒歩1分のところに住んでいる奇跡。これからいろいろ料理を教えてもらおうと思っている。

 

[今日のネパール豆知識]

ネパールでは主にヤギ、鶏、水牛の肉を食べるが、農村地の上位カーストの人はヤギ以外食べない。調理場に間違って鶏が入ってこようものなら食事を全て作り直してしまうくらいセンシティブな問題らしい。

 

f:id:henzin0joanna:20190520012312j:plain

お鍋も食器もしっかり洗ってこの水の使用量

そして見よこの節水術。家に流し台がなく水も汲み置きだから節水は家事の基本だ。キャンプで食器洗いを面倒臭いと思ってしまう自分が恥ずかしい。。

 

実はこの家の旦那さん、すごい苦労人のお父さんなのだが、その話はまた今度。

 

 

ネパール1ヶ月1万円生活[1日目] 電気水道ネット鍵。安宿トラブル初日にして全制覇。

飛行機乗り継ぎ2回、44時間の移動を経て着いたカトマンズの宿、Himalayan’s Guesthouse

 

f:id:henzin0joanna:20190519120003j:plain

ゲストハウス入り口。グーグル画像より拝借。

 

個室で1ヶ月1万9千ルピー。約1万9千円。これより1日あたり200円安い朝食付きドミトリーの宿もあったが、インターン先へのアクセスと一応今回は長期ステイなので安全面と快適さを優先したくて個室の宿を選んだ。

 

ネットでの評価はなかなか良くて、実際宿の主人も英語が話せて非常に親切だったが、少し雑然として奥まった場所に位置しているせいか、チェックインに付き添ってくれた教授は私の宿のチョイスにやや引き気味だった。

 

f:id:henzin0joanna:20190519120153j:plain

カトマンズで一番美味しいと噂のお店のモモ

 

お昼ご飯はモモ。皮が厚い蒸し餃子みたいなのに、ソースをドバドバかけて食べる。ノンスパイシーのソースでも十分ピリ辛

3人で飲み物も合わせて約4ドル。

 

f:id:henzin0joanna:20190519120304j:plain

 

ホッと一息ついたところで、カトマンズの街を見渡せる高台に建つ寺院へ行ってみる。

この日は土曜日。ネパールでは休日は日曜ではなく土曜日が基本らしい。普段は猿が沢山いることで有名な場所らしいのだが、この日はあまりの人出に猿も圧倒されたのか、麓で数匹しか見ることができなかった。

 

f:id:henzin0joanna:20190519120318j:plain

 

あとで知ったがこの日は実はブッダの生誕祭。

---

 

私の部屋は303号室。外出先から戻って部屋の鍵を開けると、なんと荷物が忽然と消えていた。

 

しかし部屋のドアをよく見てみると、なんとそこは203号室だった。

 

ネパールではイギリス式に2階部分を1階、3階部分を2階、とカウントするのだが、私は303号室と間違えて203号室を開けてしまったのだ。

 

それから一応303号室まで上がって、扉に鍵を差し込むと、やはり、鍵が回らない。

 

少し強引に左右に回そうとしてみたら、なんと鍵がグニャグニャ曲がってしまった。

 

最初に303号室に入室した時は、宿の主人がドアを開けてくれた。「きっと私は間違って203号室の鍵を渡されたんだ。」そう思い宿の主人を呼ぶと、彼はその鍵で303号室の扉を普通に開けてしまった。「この鍵は間違っている。」そういう先入観から、私は鍵を奥まで差し込めていない状態のまま、ドアノブを回そうとしていたのだった。

 

つまるところ、303号室と203号室の鍵は、どうやら一緒の鍵らしい。

 

それからお手洗いに行くと、今度は水が流れない。というか、洗面台もシャワーも水が出ない。ちょうど雨がザーザー降り出したところだったので、しばらく待てばタンクに水が溜まって解決するだろうと待ってみたが、結局事態は変わらず。

再び宿の主人を呼ぶと、近所の別の宿のシャワーを使うように案内された。

 

帰宅して、電気をつける。すると電球の弱々しい光がテンカンの人は絶対NGなレベルで点滅していた。ただでさえ鍵と水回りの問題で宿の主人に何度も地上と4回を往復させてしまっているのが申し訳なく、とりあえずその夜はヘッドライトで過ごすことにした。

 

暗がりの中パソコンを開き、翻訳バイトの作業を進める。実はもう締め切りギリギリアウトなのだが、先方は待ってくれると言っていた。もうすぐ作業完了、あとは送信するだけ。

というところまで来て、今度は今まで問題なく動いていたワイファイが突然途切れた。

 

 

 

部屋を出て地上階まで降りてみると、例の水回りの問題を解決するべく宿の主人が給水車から貯水タンクに水を送水している最中だった。

しかし私も一刻を争う事態である。あちこち調べてもらったが、結局直らなかった。

明日まで待つしかないらしい。

 

電気水道ネット鍵。安宿トラブル初日にして全制覇である。

ちなみに部屋で2回蜘蛛の巣に引っかかった。

 

もう起こりうるトラブルは一気に体験した感じなので、あとはどんなトラブルが起こりうるのか逆に気になるところではdある。

 

ここまでくるともはや私はこの宿に愛着すら感じているのだが、やはりネット環境がないのにはほとほと困り果てている。。いっそのこと引越しも考えたいところだが、立地は良いので非常に悩ましいところである。

 

 

ネパール1ヶ月1万円生活 [0日目] お金がないということ

せめて貧乏なら貧乏なりにポジティブに貧乏生活をしよう。

 

そもそもなぜ海外まで来て1ヶ月1万円生活をするのか。チョイスがあるのと無いのとでは大分心持ちが違うものだが、このパロディ企画発足の真相についてはあえて深く追求しないで欲しい。つまり金がないのだ。海外渡航なんて贅沢なことしておいて金がないだなんてそんな矛盾、恥ずかしくて面と向かって人には言えないが、この場でなら言える。私は金が無いのだ。

 

そんな私がなぜネパールへ今向かっているのか。事の経緯を説明すると、冬まで遡る。

 

私は現在、アメリカのネブラスカ州にある小さな大学に通っている。人間より牛が多いネブラスカ州。燃料用のトウモロコシ畑が永遠広がるネブラスカ州。見渡す限り真っ平ら。アメリカ人だってネブラスカを地図上で生活に指させる人はそうそういない。北海道の人に失礼だが、北海道より何も無い、ただ広いだけの土地である。ネブラスカと聞いてラスベガスを思い浮かべる人もいたが、それも間違いだ。ベガスはネバダ州だ。繰り返すようだが、ネブラスカには、何も無い。

単位数にもよるが最低限の学費だけで言えば日本の国立大くらいの金額で通えるこの大学に、私はあちこちから借金をして通っている。

 

そんな私を不憫に思ったのか。いや単純に私がど田舎の暇な大学生だからだろう。山好きの知人(便宜上ここでは山男氏とする)から、「一緒にアコンカグアに登らないか。」と昨年誘いがあった。私自身、本格的な登山経験は、正直あまり無い。というか海外遠征する金もない。私は山男氏に借金をさせてもらって、なんとかアコンカグア(6900mちょい)を登頂した。

 

f:id:henzin0joanna:20190518053927j:plain

アコンカグアベースキャンプへの下山風景

 

これは冬休み、つまりアコンカグアが位置する南米では夏の出来事である。この遠征に際して私は新学期に一週間ほど遅れて復帰したのだが、経緯を説明すると大ウケしてくれた教授がいた。高山病研究をしている教授だった。

 

この教授の紹介で、私は今回ネパールで1ヶ月、自然環境と公衆衛生に関する施設でインターンシップをすることになった。

無給である。教授も資金源を探してくれたが、しかし渡航費は自分持ちになってしまった。部活を辞めてオンライン英会話教師や翻訳のバイトをしてみたが、正直金額的には足りていない。

 

私は22歳にして、借金に借金を重ねまくっている。

 

海外には赤字でも将来性のある企業にはお金を惜しまない投資家もいると聞くが、私は所詮ただの赤字娘だ。いつか出世せねばと思うのだが、如何せん貧乏育ちなので抜け出せる自信がない。

 

f:id:henzin0joanna:20190518054536j:plain

約一年前、友人宅にて貧乏らしくゴミ袋をかぶっての散髪風景

 

それはともかく、本題のパロディ企画について少し真面目な話をすると、ネパールでの1ヶ月一万円生活は実際すごく興味深いテーマに成りうると私は考えている。

 

某サイトの統計によると、ネパールの首都カトマンズでの平均月収は4万5千円だそうだ。しかし上位4分の1に10万円以上の収入がある一方、下位4分1では1万円がやっとの世界である。貧富の差が激しい地域での統計上の平均は、実質上あまり意味を成していない気がする。

 

例えば、私の母方の祖国、フィリピンにしばらく滞在していた時のことを思い返してみよう。

そこでは日給の最低賃金が日本の時給の最低賃金と同じ、つまり月給3万程度の人がザラにいる。物価も安いとは言え、ネットをサクサク使ってたまに外食もしてお出かけもするような、そんな近代的な生活をしたかったら月3万円なんて到底無理である。

ではどうやってみんなそんな薄給で暮らしているのかというと、比較的都市部にある私の母の実家の場合は1つ屋根の下、親戚同士身を寄せ合って一緒に暮らしていたのである。2ベッドルームの家に、常に12人以上が寝食を共にしていた。介護や子育てを分担し、稼ぎは家族で分け合っていた。そして田舎に行けば、稼ぎは減るが、自給自足的な低出費の生活があった。

 

こういう場合、一人当たりの平均の収入だけ見ていても実際の生活風景はわかりにくいもので、しかし金がないなら無いなりに笑顔が見えたりもするものだ。

 

1万円はどこに行っても1万円だけど、その1万円で何ができるかは、その土地ごとにかなり違ってくる。

 

お金の価値を考える修行と思って、今回、私はネパールで1ヶ月1万円生活をすることにする。

ルール:

1)一万円はざっくり100アメリカドルとして換算する

2) 食費、生活雑貨など、基本的な生活にかかる費用のみを対象とする。

3) 宿泊費、交通費、通信費、通行料や入場料は対象外とするが、一応収支報告に入れる。

 

では。